「酵素玄米でがんが治る!」は本当?栄養素・成分から真偽を検証


酵素玄米でがんが治るという話がありますが、実は科学的には解明はされていません。
酵素玄米は栄養価が高く、体に良い成分がたくさん含まれていますが、ひとつの食品だけを摂取していれば治るわけではありません。
そこで今回は酵素玄米に含有される成分の健康効果について触れながら、疾患予防のために活用する方法を解説します。

酵素玄米でがんが治る?

「酵素玄米でがんが治る」という話がありますが、残念ながらがんに関する科学的根拠はありません。
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さらに,ギャバの機能として,精神安定作用,血圧上昇抑制作用,大腸がん抑制作用,…中略…玄米あるいは米糠中に含まれる成分に関する生理機能などの研究報告は,多数存在する。しかし,発芽玄米そのものの機能性については,研究が始まったばかりである。
出典:JSTAGE:(PDF)発芽玄米の機能性
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上記の論文にあるように、酵素玄米に含まれている成分によるがん抑制効果や、整腸作用に関する間接的な効果が期待できる可能性はあります。
しかし論文にもあるように、発芽玄米に関しては未だ研究途中であり、同じ酵素玄米を摂取したとしても人によって現れる効果が異なるということも考えられるでしょう。
そのためがん改善作用に関して確固たる効果があるとは言い切れない状態です。

酵素玄米で病気になりにくい体を作る

「がん改善」とまではいかなくとも、酵素玄米を用いた次のような方法で病気になりにくい体を作ることはできます。

抗酸化作用で老化を予防

酵素玄米に含まれている「フェルラ酸」や「ビタミンE」には抗酸化作用があり、全身の老化を予防するために効果的です。
活性酸素は血管や神経、肌など、さまざまな部位の老化を招きます。
活性酸素の除去を促してくれる抗酸化物質を摂取することによって、老化による疾患の発生を防ぐことができるでしょう。

免疫力向上

酵素玄米には「アラビノキシラン」という物質が含まれており、免疫力増強に効果が期待されます。
アラビノキシランはマクロファージなどに働きかけ、腸管免疫を活性化させる物質だという研究結果が存在します。
免疫力を増強させることによって、がんなどの疾患に負けにくい健康的な体を作ることが可能です。

ストレス緩和

ストレス緩和に効果的な成分としてGABAも、酵素玄米の中に多く含まれています。
ストレスは高血圧などさまざまな疾患の原因になるものなので、GABAでリラックス状態を促進させれば疾患の予防につながると考えられます。

がん予防と食事の関係

がんを未然に防ぐためには、酵素玄米以外にどのような食品を摂るべきなのでしょうか。
疾患の予防と食事の関係性について解説します。

がんの死亡率には食生活が影響している

ハーバード大学の研究によると、がんによる死亡率には食生活が大きく影響していると報告されています。
影響は30%にも及び、疾患と食事との関連性がいかに深いかを感じさせる結果となりました。
死亡率と食生活との関係性から、がん予防と食生活にも深い関係性がある可能性は高く、正しい食生活をすることで予防が可能になると考えられます。

塩蔵食品を過剰摂取しないこと

たらこや干した魚などの塩蔵食品は、がんの発生リスクを高めるという報告があります。
塩蔵の途中で「ニトロソ化合物」という物質が作られることで、特に胃がんのリスクが高まるリスクがあると結論付けられました。
塩分の過剰摂取も問題ですが、塩蔵食品を毎日摂取することも避けるようにしましょう。

野菜や果物を積極的に摂取すること

野菜や果物を積極的に摂取している人には、胃がんの発生率が低い傾向があります。
どの成分が予防に効果的かはわかっていませんが、カロテノイドやビタミンC、葉酸、食物繊維など複数の成分が考えられるでしょう。
野菜や果物にはビタミン、ミネラルが多く含まれるため、健康維持のためにも摂取したいものです。

熱い飲食物は避けること

熱い飲食物を体内に入れると、食道粘膜が傷ついて食道がんのリスクが高まります。
口の中がやけどするような熱い飲食物は避け、刺激のない、適度な温度の食品を摂取するようにしましょう。

最も大切なことは「バランスの良さ」

食生活で最も大切なことは、偏ることなく、バランス良く栄養素を摂取するということです。
もちろん野菜や果物、酵素玄米などの健康に良い食品を摂取し、塩蔵食品を避けることは重要でしょう。
しかしさまざまな食品をバランス良く摂取すること、栄養の偏りなく食べることが疾患を未然に防ぐための基本となります。

がん体験者の食事療法の根拠とは?

食事療法に関する試験結果と根拠について解説します。

食事療法に関する試験の結果

がん体験者の食事療法として提示されているのは「野菜・果物・全粒穀物を多く摂取する」「低脂肪食を摂取する」というものです。
しかし研究によると食事療法によって再発率に変化は見られなかったと報告されています。
早期乳がんの方を対象とした実験によると、低脂肪食を摂取したグループと、通常の食事を摂取したグループでは、再発率が変わらなかったという結果になったことが根拠です。

食事療法は一定の効果が期待できる

食事療法による再発率に変化は見られなかったと報告されましたが、がんと食生活が無関係というわけではありません。
食生活は悪性腫瘍の発生をある程度予防するために役立ちます。
しかし「決められた食事で必ず予防できる」というわけでもないため、食事療法を盲信しないようにしましょう。

がん予防には「酵素玄米+バランスの良い食事」が大切

がんの予防・改善を目指す食生活で大切なことは、酵素玄米を取り入れながらバランスの良い食事を摂取するということです。
酵素玄米は栄養価が高く、健康効果の高い成分がたくさん含まれていますが、ひとつの食品だけで疾患を改善することは難しいでしょう。
酵素玄米を取り入れながら、他の食品でも栄養素を補って、バランスの良い食生活をしていくことが欠かせません。
今回の記事を参考に、正しい食事の仕方を考えてみてください。

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