酵素玄米と同じく、美容と健康に役立つ食品として知られているのが発芽玄米です。どちらも玄米であることに変わりはないのですが、自分に向いているのはどちらか悩んでいる方は、それぞれの違いと期待できる効果についてチェックしてみましょう。
酵素玄米と発芽玄米の違いは?
それぞれには次のような違いがあります。
酵素玄米とは
酵素玄米とは、玄米と小豆、塩を混ぜて炊いたものを熟成させたもののことです。多くの方が普段主食にしている白米は玄米からぬかや胚芽を取り除いたものなのですが、米の栄養素はぬかや胚芽部分に多く含まれています。
玄米を使って作る酵素玄米であれば、白米では取ることができない栄養素も摂取できるわけですね。
玄米を選択するだけでも白米に比べて豊富な栄養素が摂取できますが、白米に比べて食感がぼそぼそしているため、どうしても食べにくいと感じてしまう方がいます。ですが熟成を進めた酵素玄米であれば、非常にモチモチしていてお赤飯のような感覚で食べることができるのです。
小豆によって栄養バランスがさらに良くなり、美容と健康に役立ってくれます。
発芽玄米
発芽玄米はその名の通り、玄米を発芽させた状態のことをいいます。お米が発芽する際にはたくさんの栄養素が必要です。そのため玄米が発芽する際には内部にたくさんの栄養素を増やす働きが起こります。
この働きにより、通常の玄米に比べて高い栄養素を摂取できるのが発芽玄米です。
また玄米の状態だと硬いぬかに覆われているため、噛んだ時にプチプチとした硬めの食感を感じますが、発芽する際にやわらかくなるため白米と同様においしく食べることができます。何となく食感が苦手で玄米を避けていたといった方でも、発芽玄米なら検討しやすいでしょう。また発芽玄米は白米と同様に炊けるのもポイントです。
栄養価の違い
酵素玄米に使われる玄米と、発芽玄米は栄養価が異なります。どれほど違うのか比較したものを確認してみてください。
白米(精白米) | 玄米 | 発芽玄米 | |
エネルギー | 358kcal | 353kcal | 356kcal |
たんぱく質 | 6.1g | 6.8g | 6.5g |
脂質 | 0.9g | 2.7g | 3.3g |
炭水化物 | 77.6g | 74.3g | 74.3g |
ナトリウム | 1mg | 1mg | 3mg |
カリウム | 89mg | 230mg | 160mg |
カルシウム | 5mg | 9mg | 13mg |
マグネシウム | 23mg | 110mg | 120mg |
リン | 95mg | 290mg | 280mg |
鉄 | 0.8mg | 2.1mg | 1.0mg |
亜鉛 | 1.4mg | 1.8mg | 1.9mg |
銅 | 0.22mg | 0.27mg | 0.23mg |
マンガン | 0.81mg | 2.06mg | 2.07mg |
ビタミンE | 0.1mg | 1.4mg | 0.5mg |
ビタミンB1 | 0.08mg | 0.41mg | 0.35mg |
ビタミンB2 | 0.02mg | 0.04mg | 0.02mg |
ナイアシン | 1.2mg | 6.3mg | 4.9mg |
ビタミンB6 | 0.12mg | 0.45mg | 0.34mg |
葉酸 | 12μg | 27μg | 18μg |
パントテン酸 | 0.66mg | 1.37mg | 0.75mg |
水溶性食物繊維 | – | 0.7g | 0.5g |
不溶性食物繊維 | 0.5g | 2.3g | 2.6g |
酵素玄米と発芽玄米でそれほど大きな違いがあるわけではないのですが、それぞれ優れている栄養素が異なります。なお表でご紹介しているのは玄米ですが、酵素玄米の場合はこれに小豆の栄養素が加わり、熟成させることによりさらに栄養価が高くなるのが特徴です。
いずれの場合も精白米との違いは非常に大きいことがわかるでしょう。精白米の状態になると栄養素が大きく失われてしまうので、健康や美容のために何か身体に良い物を取り入れていきたいと考えている方は玄米や発芽玄米について検討してみてはどうでしょうか。
酵素玄米の特徴と効果
精白米に比べると炊く際に手間がかかります。具体的な炊き方は後ほどご紹介するので、参考にしてみてください。上手に炊ければモチモチとした食感になるので、とても食べやすいです。
ただし熟成させている間と食べきるまでの間は常に保温を続ける必要があるので、家族用に白米を炊かなければならない家庭では、もう一台炊飯器や保温ジャーを用意しなければなりません。
期待できる効果
白米に比べて多くの栄養素が摂取できるので、健康と美容をサポートしてくれます。特に食物繊維が豊富なので、普段から便秘気味の方や、野菜不足を感じている方も取り入れてみましょう。
またビタミンEが豊富に含まれているのもポイント。ビタミンEには抗酸化作用があり、細胞の酸化を防ぐ働きがあります。いつまでも若々しく過ごしたいと考えている方も注目したい栄養素です。
発芽玄米の特徴と効果
玄米を発芽させることによって様々な栄養価がアップします。さらに発芽させていないものに比べて甘さがアップするので、おいしく食べることができるのです。
玄米を炊いたものの芯が残ってしまった経験のある方もいるはず。ですが発芽させてから炊くと、芯までふっくらと炊き上げることができます。
体質によっては玄米を食べるとお腹を下してしまう方もいますが、そういった方の多くも発芽させたものであれば問題なく食べられるので、試してみてはどうでしょう。
期待できる効果
こちらも白米に比べて多くの栄養素が含まれているため、美容と健康の両面で魅力があります。
食物繊維も豊富なので、便秘気味の方にもぴったり。ただしビタミンEは発芽前の玄米のほうが優れています。発芽させると消化も良くなるので、玄米はなんとなく消化されにくいのを実感しているといった方も試してみてはどうでしょうか。
酵素玄米・発芽玄米の炊き方
それぞれの炊き方とポイントを紹介します。
酵素玄米の炊き方
通常の玄米のほか、小豆と塩を使います。
- 1.ボウルに玄米600g(4合)と小豆50gを入れて水で軽く洗う
- 2.水を切ってから塩3g、水600ccを加え、泡立て器で右回りに3分かき回す
- 3.炊飯器に水ごと入れ、水400ccをプラスして6時間以上浸水させて炊く
- 4.蒸らしてからよくかき混ぜる
- 5.一日1回かきまぜて3日目から食べる
泡立て器でかき混ぜることにより表面に小さな傷が付き、水を吸収しやすくなるのでふっくらと炊き上がります。炊きあがった酵素玄米は保温状態を続け、1週間ほどで食べきるようにしましょう。その間、日に1回はかきまぜます。
発芽玄米の炊き方
発芽玄米は通常の白米と同じように炊飯器で炊きます。水加減や浸水時間は白米とほぼ同様ですが、白米のようにといでしまうと栄養価が流れるので、軽くすすぐ程度にしましょう。
どちらも栄養素が豊富
どちらを選択するかは人それぞれではありますが、酵素玄米は小豆を加えることもあって見た目がとても美しくなります。
お弁当などに入れる際に、ただ茶色い発芽玄米だと何となく恥ずかしいと感じてしまう方も、彩りの良い酵素玄米を選択してみてはどうでしょうか。
どちらが自分に合っているかわからない方は、まずは市販の商品から試してみるのもおすすめです。