いくら栄養豊富な食品であっても、カロリーが高ければ食べることに抵抗を感じがちです。
健康に良いとされている酵素玄米ですが、白米と比較してカロリーに差はあるのでしょうか?
そこで今回の記事では、酵素玄米と白米、さらにその他の主食のエネルギー量を比較し、玄米のダイエット効果に関しても解説していきます。
酵素玄米と白米のカロリーは同じ?
玄米・発芽玄米・精白米のカロリーはほぼ変わりません。
エネルギー(kcal) | |
玄米 | 165 |
発芽玄米 | 167 |
精白米 | 168 |
上の表は、それぞれの穀類を炊飯した後の、100gあたりのカロリーを比較しています。
わずかに精白米が多いですが、3kcal程度なら誤差の範囲内であり、体重や体脂肪に影響を及ぼすものではないでしょう。
次に、炊飯した後の酵素玄米と白米のエネルギー量を比較します。
エネルギー(kcal) | |
酵素玄米 | 247 |
白米 | 252 |
上の表は、炊飯後の茶碗一杯(160g)あたりのカロリー量を比較したものです。
やはり白米のエネルギー量がわずかに多いですが、それほど大きな違いはありません。
しかし、酵素玄米と白米はカロリーがほぼ変わらないながら、含まれている栄養素には大きな差があり、摂取エネルギー量を抑えながら栄養バランスを改善するためには非常に効果的です。
玄米食品とその他主食のカロリー
次に、玄米食品とその他の主食のカロリーを比較してみましょう。
エネルギー(kcal) | |
玄米ごはん | 165 |
玄米粥 | 70 |
食パン | 260 |
フランスパン | 279 |
ロールパン | 316 |
うどん | 105 |
そうめん | 127 |
パスタ | 247 |
そば | 132 |
100g中に含まれるエネルギー量を他の主食と比較すると、決して「玄米は低カロリー」とは言えません。
油脂を使うパン類と比較するとエネルギー量は少ないですが、うどんやそうめん、そばなど、日本でよく食されている主食の方が摂取カロリーは抑えられることになります。
白米から酵素玄米にしてもダイエットに効果はない?
白米とカロリーはほぼ変わりませんが、酵素玄米には特有のダイエット効果が期待できます。
腸内環境を改善し痩せやすい体質に
酵素玄米に含まれる食物繊維は、腸内環境を改善し、痩せやすい体質へと導いてくれると考えられています。
「太りやすい」「太りにくい」という体質の違いには、少なからず腸内細菌が影響していると、最近の研究結果によって報告されました。
—————————–
このように,腸内細菌による多糖類の分解などのエネルギー回収の促進は宿主の肥満形成に寄与している.…中略…腸内細菌は腸管ANGPTL4分泌を抑制することで,脂肪蓄積,すなわち肥満に宿主を傾けることがAngptl4 欠損マウスを用いた検討で明らかとされている.
出典: JSTAGE:(PDF)腸内細菌叢と肥満症
—————————–
論文中にある「ANGPTL4」とは、脂肪の分解を促進させる酵素のことで、ANGPTL4も腸内細菌からの影響を受けて働きが変わることが明らかになっています。
食べたもののエネルギーを過度に吸収せず、脂肪を分解する体の機能が正常に働く痩せやすい体質になるためには、酵素玄米で食物繊維を摂取し、腸内環境を理想的にすることが欠かせません。
玄米食は体脂肪がつきにくい
酵素玄米を食べていると体脂肪が蓄積されにくくなります。
体脂肪がつきにくくなる理由は、玄米はGI値が低く血糖値が上がりにくいことから、脂肪を合成するインスリンの分泌が少なくなるためです。
—————————–
4週間に亘る玄米発酵食品(FBR)摂取の血糖値に及ぼす効果について調べた結果,FBR群の空腹時血糖値および空腹時インスリン値は,通常玄米を添加した NBR群と比較して,有意に低値であった。
出典:JSTAGE:(PDF)ラットにおける玄米発酵食品摂取の血糖値に及ぼす効果
—————————–
研究結果にあるように玄米を食べるとインスリンが分泌されにくくなりますが、通常の玄米よりも、玄米発酵食品の方が高い効果を発揮すると報告されています。
そのため、保温発酵させる酵素玄米では、より高い効果が期待できます。
また、糖や脂質の代謝を促す作用があるという報告もあるため、インスリン分泌抑制の効果だけでなく、代謝促進によりカロリー消費量が高まる可能性もあるでしょう。
酵素玄米は体脂肪の蓄積を予防する効果が高く、ダイエットに適していると考えられます。
脂肪の摂取欲を抑える
酵素玄米の中には、高脂肪食を食べたくなくなるように働きかける成分が入っています。
高脂肪食への欲求が少なくなるため、ダイエット中の玄米はカロリー摂取量を減らすために役立つでしょう。
—————————–
玄米に高濃度に含有され、高脂肪食を敬遠する生理活性を持つ物質を実験用マウスに与えると高脂肪食を敬遠して普通のエサ を好むように食行動が変化し、結果的に肥満の改善・糖尿病の改善が認められた.
出典:新技術説明会:(PDF)高脂肪食への嗜好性を軽減させるための医薬組成物、飲食品組成物または飲食品添加物
—————————–
脂肪を含む食品は脳の「視床下部」に働きかけ、さらに多くの高脂肪食を食べたくさせますが、玄米食は「脂っぽいものを食べたい」という欲求が高まらないようにしてくれると報告されました。
特に脂肪をたくさん含む食事を摂っているときに効果を発揮するそうなので、酵素玄米食は肉や揚げ物など、脂っぽい食事が好きな方の脂質制限に効果的だと考えられます。
酵素玄米にはカロリー以外のダイエット効果が豊富
酵素玄米には特有の効果が多く、白米とカロリーがほぼ変わらなくても、ダイエットに効果が発揮される可能性は高いです。
玄米は豊富な食物繊維で腸内環境を改善するだけでなく、体脂肪の蓄積を予防してくれるため、脂質・糖質の多い食事が好きな方に適しています。
ダイエット成功のためには、カロリーの摂取分・消費分のバランスが欠かせませんが、酵素玄米を取り入れることで、摂取カロリーが変わらなくても痩せやすい体質になれるでしょう。