「酵素玄米を食べたら胃痛がしてきた」という方は少なくありません。
健康に良いはずの玄米で、なぜ胃が痛くなることがあるのでしょうか。
酵素玄米は白米と比較して異なる特徴を持つことから、白米の感覚で食べていると、胃を痛めてしまう可能性があるためです。
そこで、酵素玄米で胃痛が引き起こされる原因と、体調不良に陥ったときの対処法について解説します。
酵素玄米は食べ方によっては胃痛を起こす?
酵素玄米は食べ方により胃痛を引き起こす可能性もあります。
食べすぎている
ご飯の量を食べすぎているということが第一の胃痛の原因です。
白米でも、お粥でも、食べ過ぎれば胃に負担がかかり痛みが引き起こされます。
玄米を食べて胃が痛くなったという方は、まず食べすぎていなかったか確認し、食べる量を減らして胃の調子を観察してみてください。
消化不良を起こしている
酵素玄米を食べて消化不良を起こしたことで、胃痛が引き起こされることもあります。
玄米には硬い「糠層」がついたままになっているため、消化不良が起こりやすく、白米のような感覚でよく噛まずに飲み込んでいると、胃への負担が大きくなってしまいます。
酵素玄米は玄米に比べてとても柔らかく消化に良いですが、咀嚼回数が少ない人や、もともと胃が弱い人は、玄米の糠層による消化不良を疑ってみましょう。
アブシジン酸による胃痛
玄米に含まれている「アブシジン酸」で胃痛が起こるケースもあります。
アブシジン酸とは玄米の「発芽抑制因子」のことであり、鳥に食べられた際に吐き出されるように、玄米が種族存命のために備えている物質だとも言われています。
そのため、消化される段階で胃痛の原因になることもあると言われる成分です。
アブシジン酸の人体への影響はまだ解明されておらず、決して「毒物である」とは言えません。
しかし、解明されていないだけに胃痛の原因になる可能性も捨てきれないでしょう。
酵素玄米での体調不良の症状と対処方法
酵素玄米で起きた体調不良の症状と、それぞれの対処法について解説していきます。
お腹が張る・便秘・下痢
玄米を食べ始めると、ガスが溜まる、便秘・下痢をするなどの体調不良に見舞われる方がいます。
玄米の中には「不溶性食物繊維」が豊富に含まれていることから、腸の中に溜まった食物繊維を排出しきれず、お腹の張りや便秘・下痢につながるとされています。
【対処法】
不溶性食物繊維は、水溶性食物繊維と一緒に摂取すると腸の働きをバランス良くしてくれると言われています。
水溶性食物繊維が豊富な食品は、納豆・いんげん豆・ごぼう・かぼちゃ・イモ類・海藻類・果物類・大麦・オーツ麦などです。
吐き気
酵素玄米を食べて吐き気がするという場合、アブシジン酸の影響を受けていると考えられます。
最初にご紹介したように、種族存命の意味も持つ物質なので、食べられても吐き出してもらうために、体内で何らかの反応を起こしている可能性もあるでしょう。
【対処法】
玄米を食べて吐き気がした場合は、玄米を発芽させてみてください。
発芽抑制因子であるアブシジン酸は、発芽が完了すると効力を失うため、24時間ほど浸水させて発芽を促すことをおすすめします。
胃腸炎
酵素玄米で胃痛が起こっているにも関わらず、食べ続けると、胃腸炎に進行するケースがあります。
胃痛を放置して玄米を食べ続けていると、免疫力が低下し、ウイルス感染による胃腸炎を発症しやすくなります。
【対処法】
胃の痛みを感じる場合は、炊飯時の水を増やして柔らかく炊いた玄米を食べるようにしてください。
また、胃の調子が改善しないなら、中断して痛みがなくなってから再開するようにしましょう。
その他の症状
ご紹介した以外の症状が現れた場合、玄米食による「好転反応」である可能性があります。
好転反応とは、体内のデトックスが行われるときに現れる不快な症状のことで、自然治癒力が増強されていることの証明とも言われています。
つまり、健康的な体に転換していることの証です。
【対処法】
好転反応は純粋な体調不良ではないため、玄米の量を少なくするなど、体の調子を見ながら個々人で調整していくことが大切です。
もし、かなりひどい症状が現れている場合や、何らかの疾患で通院を行っている人は、病院に行って担当医に相談してください。
酵素玄米で胃痛が起きたら慎重に様子を見て
酵素玄米を食べていて胃痛が引き起こされたら、慎重に様子を見ながら食べることが大切です。
酵素玄米は玄米よりも柔らかく、消化に良くなっていますが、もともと胃が弱い人であれば消化不良の可能性も捨てきれません。
また、玄米の特徴から、その他の症状が現れる可能性も考えられます。
柔らかく炊く、よく噛んで食べるなどの対処法を試してみても改善しない場合は、白米と混ぜて炊いたり、一時中断してみたりなどの対処を行ってください。