昨今では認知症予防のために食習慣が大切だということがわかってきましたが、食習慣の見直しを行うなら主食を検討することも欠かせません。
実は、主食として白米より玄米や雑穀を食べる食習慣の方が、認知症になりにくいという研究結果も報告されています。
認知症予防のために主食は何がおすすめ?
認知症予防のための主食としておすすめなのは、玄米や雑穀です。
玄米には「フェルラ酸」というファイトケミカルが含まれていますが、フェルラ酸の持つ抗酸化作用は認知症予防に有効だと報告されました。
さらに図2のようにBSO処置群ではBSOによって正常マウス(白い棒グラフ)と比較すると顕著な脳内過酸化(脂質過酸化)の増加が観察されました。この脂質過酸化の増加はフェルラ酸を予め投与しておくと劇的に抑えられました。これは、ビタミンEよりも強い効果です。
この結果、フェルラ酸の抗酸化効果が認知症予防に有用な働きを持っている可能性が示唆されました。
画像引用元:発芽玄米に含まれる「フェルラ酸」が認知症を予防!
フェルラ酸含有量は精製された穀類で少なくなり、白米より玄米や雑穀に多く含まれます。
白米中心の食習慣である方は、玄米や雑穀食に切り替えることで認知症予防効果が得られると考えられるでしょう。
認知症予防のための食習慣で押さえたいポイント
それでは、認知症予防のための食習慣で押さえておきたい、3つのポイントについてご紹介します。
糖質・塩分を控えること
糖質・塩分を控えて糖尿病を予防する食習慣は、認知症の予防にも効果を発揮します。
糖尿病に罹患した方は認知症の発症率が高いとされているため、糖尿病の原因となる糖質・塩分過多の食生活は控えるようにしましょう。
玄米は白米と比べて食後の血糖値上昇が緩やかであり、ナトリウムの排出を促すカリウムが豊富に含まれているため、認知症だけでなく糖尿病の予防にも役立つ食品です。
さまざまな食品を食べて栄養を補うこと
ひとつの食品に偏らず、さまざまな食品からバランスよく栄養を摂ることも大切です。
最初に主食を玄米や雑穀に切り替えると認知症の予防に良いとお話しましたが、玄米や雑穀だけでは身体にとって必要な栄養素すべてを補えません。
主食だけでなく、肉や魚、野菜、海藻類などからたんぱく質・ミネラル・ビタミンを摂取するようにしてください。
認知症の予防に効果的な主食を取り入れながら、バランスよくいろいろな食べ物を食べるようにすることがポイントです。
ファイトケミカルを積極的に摂取すること
ファイトケミカルを積極的に摂取すると、アルツハイマー型認知症予防に効果的だと言われています。
ファイトケミカルとは身体の酸化を予防し、老化から守ってくれる物質であり、最初にご紹介したフェルラ酸もファイトケミカルのひとつです。
ファイトケミカルは玄米や雑穀の他、緑黄色野菜やぶどう・ブルーベリー・大豆・玉ねぎ・ほうれん草・緑茶・カカオなどに多く含まれます。
日々の食習慣の中で無理なく摂取できるよう、含有されている食品をあらかじめチェックしておき、意識的に食べることがおすすめです。
発芽玄米は認知症予防に効果が期待?
発芽玄米にはフェルラ酸以外にも、認知症予防に効果が期待される理由があります。
発芽玄米を食べると脳内で「BDNF」という物質の生成が促進され、記憶力が向上するという実験結果が報告されているのです。
ただし、あくまでも質の高い玄米を食べることがポイントで、発芽玄米の品質によっては反対にBDNFの生成を抑制してしまう可能性も。
発芽玄米は、フェルラ酸とBDNF生成促進作用によって認知症予防の効果が期待できますが、食習慣に玄米を取り入れるなら、品質の高い玄米を用いることが大切です。
認知症予防には食習慣がポイント!主食は発芽玄米に切り替えて
認知症予防のためには、主食を発芽玄米に切り替える、糖質・塩分を控える、さまざまな食品をバランスよく食べる、といった食習慣を整えることがポイントになります。
身体を老化から守るファイトケミカルを多く含む食品を意識的に摂るようにし、主食を発芽玄米にすれば、毎日の食習慣の中で無理なく認知症の予防ができるでしょう。
これまで白米食を続けていたという方は、この機に玄米や発芽玄米、酵素玄米に切り替えて、脳の若さ維持に取り組まれてはいかがでしょうか。